今回掲載メルマガは、
手紙&はがきの書き方シリーズ 〜第2弾〜
****************************************************
手書きにこだわるトップセールスの方は多いと思います。
こういう言い方をしては失礼ですが、どうみても筆まめ(勤勉)
とは思えないAさんという方がいらっしゃいます。
バリバリのトップセールスです。しかし外見とは異なり、
ことあるごとにお客さまのみならず、仕事以外でも時間が
あるときはペンを走らせています。
首都圏を中心に名古屋、京都、大阪などにもお客さまがいらして、
よく出張をされます。その移動中がはがき、ときには手紙を
書く時間にあてています。あまり字はきれいとはいえませんが、
東京−名古屋間で10枚くらい書いていました。
お客さまの誕生月、結婚記念日、お子様の誕生日や七五三や
入学・進学など、記念日が手帳に収められています。
官製はがきではなく、手作りのはがきに記念切手が貼られており、
カバンから取り出してはせっせと書いています。
拝啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
もうすぐお二人の大切な日がやってきますね。
私まで呼んでいただき、2年たったいまでもあの
結婚式の感動が忘れられません。○○さんの涙が印象的でした。
私までもらい泣きしたことを思い出しました。
いま、出張で名古屋に向っております。
本来ならお目にかかりたいところですが、日帰りの出張で、
○○さんもお忙しいことと存じますので、
本状をもってご挨拶がわりに。
またあらためてご連絡させていただきます。
敬具
たまたま新幹線でAさんと遭遇したとき、このように
書かれていたのをチラッと見ました。お客さまから結婚式に
招待されるという関係にも驚きましたが、誠実な文章が印象的でした。
「もうお子さまはできましたか?」などというセンシティブで
プライベートの部分に立ち入ることもなく、結婚記念日に
さりげない挨拶状とは、さすがだと思いました。
お客さまとの関係は深いほうがいいかもしれませんが、友人とは
違うということをAさんは強調します。もちろん、お客さまにも
よりますが、Aさんのおっしゃるとおりだと思います。
保全活動の一環として、手書きのはがきや手紙を書くという方は
多いかもしれません。ですが、単なる連絡だけなら携帯電話の
メールのほうが読んでもらえるのではないでしょう。
せっかく手間ひまかけて書くのですから、相手、つまり大切な
お客さまの心をくすぐる工夫がほしいところです。Aさんの
はがきなら「結婚式」「涙」「会いたい」という言葉が
キーワードになるのではないでしょう。これがパソコンで
打ったものではない手作りの魔力が働くのです。
後日、Aさんにお客さまから返事が届きました。
待望のお子さまができたという報告があったそうです。もちろん、
Aさんは奥様のお体を気遣うはがきを書きました。ここでも、
まだ生まれたわけではないので「おめでとうございます」
を強調しませんでした。
この距離間、そして機微がとても大切なのです。
手書きの手紙やはがきは、忙しいと思われているセールスパーソンこそ
発揮されます。あれだけ忙しいのにはがきや手紙をくれた。
お客さまにそう思っていただいたなら、お客さまのハートを
つかんでいるといっていってもいいのかもしれません。
それが保全におけるはがきや手紙の威力なのです。
(2010.12.20配信 ASSUMEメルマガ)