過去メルマガ記事≪転職すると年金が減る?≫

2016.1.28配信 ASSUMEメルマガ

10月1日からついに共済年金と厚生年金が一元化されました。 一元化の基本的な方向性は、共済年金を厚生年金側に合わせるものです。 したがって共済年金側では職域加算が無くなったり、遺族年金の転給が無くなったり
という大きな影響が出ましたが、厚生年金額には大きな変化がなかったと一般的には
言われています。 しかし、転職した人の「遺族年金」と「障害年金」が、誰にも気づかれないうちに引き
下げられているようです。今回は「転職組は要注意!」というお話です。 ●一元化前の年金額(遺族年金・障害年金)の考え方
まず、共済年金と厚生年金が一元化される前の遺族厚生年金と障害厚生年金は、
「所属している年金制度の報酬額と加入月数」が年金計算の基礎となっていました。 ここに10年間公務員として働いて、その後に給与アップの転職を果たして5年間
会社員として勤めているAさんがいたとします。このときの年金計算の基礎となる
平均標準報酬額を、公務員期間=25万円・転職後=50万円と仮定します。 「公務員期間:10年間、平均標準報酬額:25万円」 「転職後の会社員期間:5年・平均標準報酬額:50万円」 この前提でAさんが亡くなった場合、一元化前であれば遺族に支給される遺族厚生
年金の額は、転職後の会社員期間と平均標準報酬月額のみで算出されていました
〔計算式は末尾(*1)〕。これは月50万円の収入がある人が亡くなったという前提で
年金額が算出されていたということです(加入期間が短い場合は短期要件といって
300月加入したものとして計算されます)。 一方、一元化後の遺族厚生年金の年金額は、転職後の会社員期間だけでなく、
それ以前の公務員期間の平均標準報酬額等も加味して遺族年金が算出される
ようになりました〔計算式は末尾(*2)〕。 お気づきかと思いますが、50万円だけを使った計算値と、「25万円と50万円を
ならした値」を使った計算式では、後者の方の年金額は低くなります。 多くの場合、就職当初は給料が安く、年数を経過するごとに徐々に収入は増えていきます。 スキルアップを実現し、転職を果たした人などはもっと顕著に転職前後の収入に差がある
と思われます。 そういった「高い収入」を実現した人にとって、以前の低収入の報酬まで含めて計算される
ことは年金額の引き下げを意味します。この例では遺族年金で説明していますが、
障害年金についても基本的な考え方は一緒です。 なお、「転職」といっても「会社員→会社員」のように、同じ厚生年金間の転職は被保険者
区分が変わらないため、このようなことは起こりません。 気をつけなければいけない人たちは「公務員→会社員」のように、従来の共済年金と
厚生年金の間をわたって転職した人です。もちろん逆の「会社員→公務員」のパターンも
気をつけなければいけないことに変わりはありません。 ●長期要件は従来と同じ考え方 先の記述は「短期要件」といわれる、加入期間25年未満の方々のケースです。 年金制度に25年以上加入した場合は「長期要件」といわれ、転職した人であっても
「旧共済期間の分」と「厚生年金の期間分」をそれぞれ計算して足し合わせます
〔計算式は末尾。旧共済10年・厚生年金20年の例(*3)〕。この取扱いは基本的に
一元化の影響を受けていない部分です。 ●若くて転職した高収入の人が影響を受ける このように考えていくと、能力があって転職により年収が上がった30〜40代の方の
遺族年金や障害年金が「知らぬ間に」引き下げられたということになります。 このような方が既契約者や見込客としてお近くにいる場合、募集人の皆さんは公的保障
の減った分として、死亡保障のおすすめや増額のアプローチを行ってみるのも良いかも
しれません。 制度変更は保険見直しのチャンスです。 (*1)50万円×5.481/1000×120×300/120×3/4 (*2)(25万円×5.481/1000×120+50万円×5.481/1000×60)×300/    (120+60)×3/4 (*3)(25万円×5.481/1000×120×3/4)+(50万円×5.481/      1000×240×360×3/4) ※簡易的に計算しています。また旧職域加算等は加味していません。