過去メルマガ記事≪塾か家庭教師か≫
2015.7.9配信 ASSUMEメルマガ
私立中学に通う生徒も少なくありませんが、まだまだ多くの子どもたちは公立中学に通っています。その子どもたちにとっての試練は、やはり高校受験なのではないでしょうか。その受験対策用にと、我が子を学習塾に通わせたり、家庭教師をつけたりする親は多いものです。
では、その両者はどちら支持されているのでしょうか。統計数字から探ってみましょう。
(データは文部科学省「平成24年度 子供の学習費調査」からの引用です) まずは、公立中学の生徒が、どの程度、学習塾や家庭教師に教えてもらっているかの割合を見てみます。
●学習塾や家庭教師に教えてもらう割合
【学習塾】
1年生→60.3%、
2年生→70.3%、
3年生→80.1%
【家庭教師】
1年生→42.4%、
2年生→32.1%、
3年生→32.3%
学習塾の数字を見ると、驚くことに1年生の時点でなんと6割の子どもたちが学習塾に通っています。
そして3年生になると、その割合は8割にも達しています。
8割というと、塾に通っていない方が珍しい目で見られるほどですから、クラスのほとんどが放課後に塾通いをしているという実態が浮かび上がります。
一方、学年が増すごとに増えている学習塾に比べ、家庭教師に教えてもらう生徒の割合は、1年生で4割を超えていたものが、2〜3年になると3割台に低迷しています。
この数字を見る限り、子どもたちは家庭教師よりも学習塾に軍配をあげていることがわかります。
さて、次はその費用の側面にスポットをあててみましょう。
●学習塾や家庭教師に支払う金額(年間支出額)
【学習塾】
1年生→17.2万円、
2年生→22.6万円、
3年生→32.8万円
【家庭教師】
1年生→ 6.1万円、
2年生→ 8.8万円、
3年生→ 9.8万円
この金額は学習塾や家庭教師を利用した人が支払った金額の平均額ですので、利用していない生徒がいるからといって平均額が下がる数字ではありません。
学習塾に支払っている費用は、1年生のときの平均は17.2万円ですが、3年生になるとほぼ倍の32.8万円に膨れあがっています。
一方、家庭教師の場合は増加してはいるものの学習塾ほどの伸びはなく、 3年生時の段階でも10万円を割る水準にとどまっています。
利用している割合や、支払金額の両面の数字のいずれも、学習塾に軍配が上がっています。
規模の違いなど、一概に結論を下すことはできませんが、長年にわたる受験指導の信頼度や、友人たちとの情報交換など、単に学力を向上させるだけ以上の要因が学習塾にはあるのでしょう。
受験は個人で乗り越えなければならないものですが、ある意味、情報戦の様相を呈することもあります。
子どもたちは、個人戦よりも組織戦を選択しているというところなのでしょうか。 それにしても、親の出費は覚悟しておかなければいけませんね。
(参考)
以下は私立中学生のデータです。
中高一貫教育となっているところが多い ためか、利用割合については公立中学に比べて低い数字となっています。
【学習塾】
(生徒の割合)1 年生→ 48.8%、2年生→ 54.3%、 3年生→55.2%
(支出金額) 1 年生→19.6万円、2年生→24.2万円、3年生→29.5万円
【家庭教師】
(生徒の割合)1 年生→ 34.1%、2年生→ 29.4%、 3年生→ 26.4%
(支出金額) 1 年生→ 7.5万円、2年生→13.3万円、3年生→13.5万円