過去メルマガ記事≪障害年金をもらうのも簡単ではない≫
2015.7.2配信 ASSUMEメルマガ
病気やケガで働けなくなったときに頼りになるのが障害年金ですが、障害年金を受けるには意外に高い壁があるのをご存じでしょうか。
会社勤めの人が障害状態に該当したとき支給対象となる障害年金は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つと一般的に言われています。
ところが「初診日」にどの年金に加入しているかどうかで、どの年金が支給されるかが決まるため、会社員の方でも障害厚生年金がもらえるとは限りません。
たとえば、現在サラリーマンの人が障害状態に該当したとしても、その原因となる病気やケガの初診日が「大学生のときの受診」であれば障害厚生年金は支給されず、障害基礎年金だけの支給となってしまいます。
そして、その初診日の特定がさらに大きな関門として立ちはだかります。
初診日とは、その病気やケガが診断されたときではなく、いちばん最初に病院に行った日になります。
なんとなく具合が悪くて近場の診療所に行って、そこから大きな病院に移ったような場合は、近場の診療所に行った日が初診日になります。
「小児ぜんそくが原因」ということであれば、子どものころに行っていた病院を突き止め、そこで初診を受けたということを特定しなければいけません。
引っ越しすることもなく、同じ地域に住んでいる人であれば難しいことではないのかもしれませんが、転勤族で引っ越しの多い人に、「それを覚えていろ!」というのは酷なことです。
しかも、病院のカルテの保存期間は5年であり、それ以前分は病院側に診療記録が残っていないこともありますし、病院自体が閉院していることも少なくありません。
このように、初診日の特定ができないことで障害年金の請求を断念している人も少なからずいるようです。
さらに、障害状態 に該当するかどうかは「医師の診断書」で、そのすべてが決まります。障害の重い人が病院に行けるのは“体調の良い日”になりますし、その体調の良い日を観察した診断書をそのまま書かれてしまえば、障害状態に該当しないということになってしまいます。
一部の医師の方には障害年金について理解を示さない方もいるようで、患者側の望むような診断書とならず、その結果、障害年金の受給に結び付かないケースも多いようです。
このように悩める人が多いためか、困難な障害年金の手続きを代行して対価をもらうビジネスも存在しています。
障害基礎年金は1 級の障害状態に該当したとしても、年間975,100円(平成27年度)に過ぎず、そこから手数料を受け取ったとしても微々たるものです。
しかし、障害年金 の障害認定日というのは、原則、初診日から1年6ヵ月後であり、障害状態に該当したと認定されれば、そこから障害年金の受給権が発生します。
そして、障害年金の時効は5年です。
つまり、初診日を 特定できないような困難な案件は長期間放ったらかしにされていることも多く、障害厚生年金や加給年金、子の加算などを含めて5年分を遡って認定された場合、数百万円の現金(=5年分の年金)が一気に入ってくるのです。
こうなると障害年金が相応の手数料収入が見込まれるビジネスに変わります。
このように、一部の障害年金については、ビジネスが成り立つほどに難しいケースもあるようです。しかも、障害年金は一度認定されたら一生もらい続けられるものではなく、症状が改善した場合は認定が取り消される可能性も孕んでいます。
複雑な障害年金の 事例をひとつ一つ理解する必要はありませんが、障害年金が認定されるためには「初診日をしっかりと特定する必要がある」ということと、認定されたとしても「症状が改善したら打ち切られる可能性がある」 ということをお客さまにお知らせし、確実に給付が行われる生命 保険の必要性をPRしていただきたいものだと思います。