過去メルマガ記事≪女性市場開拓の好機か?≫
2015.5.14配信 ASSUMEメルマガ
平成27年度税制改正大綱のなかに「個人型確定拠出年金制度の加入者に第3号被保険者を追加」という内容があります。
第3号被保険者とは、多くの場合、専業主婦(専業主夫もいますが)のことを指しています。
いままで被扶養配偶者として国民年金にしか加入できなかった方々が、自分のための上乗せ年金に加入できるようになります。
専業主婦の方には老後生活の資金対策に新たな選択肢が出てきたことになりますが、募集人の方々にとっても女性市場に食い込むチャンスが到来したのではないでしょうか。
この確定拠出年金の新たな加入者には、公務員なども追加される予定ですが、独自の老後対策手段を持っていなかったという点では、第3号被保険者のインパクトに勝るものはありません。
拠出限度額自体は年間27.6万円(月2.3万円)とさほど多くはありませんが、掛金全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税の軽減が見込まれることもあり、大きなメリットが期待できます。
ただし、個人型確定拠出年金の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象です。
一般的な社会保険料控除は扶養する配偶者等の掛金を支払っても所得控除が受けられるのに対し、小規模企業共済等掛金控除は加入者本人の掛金の分しか所得控除できません。
確かに第3号被保険者は年収130万円未満が基準であり、所得税の課税ラインである103万円を超える収入のある人も多いのでしょうが、まったく収入のない専業主婦の方にとって所得控除云々は関係ない話です。
このあたりは短時間労働者への健康保険・厚生年金の適用拡大(平成28年10月予定)からも読み取れる「第3号被保険者の数を減らしたい⇒女性の労働力を活用したい」という流れに沿ったものなのかもしれませんが、気をつけておきたい項目のひとつです。
「いつから加入できるのか?」というところも気になるところですが、税制改正大綱には「確定拠出年金法等の改正を前提に…」とあります。
関連する法律改正のプロセスを経なければならないため、相応の時間がかかるものと思われます。
一家の大黒柱といわれる人への死亡保障の販売が伸び悩み、女性市場の開拓の必要性が言われ続けていますが、なかなか順調に開拓が進んでいない方も多いのではないでしょうか。
今回、政策的に第3号被保険者にスポットが当てられ、女性の方の老後保障に対する関心が、今以上に盛り上げることが予想されます。
「専業主婦に保障は必要ない」という断りを受け、女性市場開拓に苦労してきた募集人の方にとっては、とにもかくにも「話を聞いてもらえる環境ができた」と考えて良いのではないでしょうか。
平均寿命から考えても、女性の方の老後保障に対する関心は高いものがあります。募集人の方々には、今回の話題をきっかけにして女性市場に大いなる食い込みをはかっていただきたいものです。