過去メルマガ記事≪≪受験にかかるお金のはなし≫
2015.4.23配信 ASSUMEメルマガ
大手予備校が事業の大幅縮小を発表したように、少子化社会・大学全入時代に突入し、受験戦争の様相も以前に比べると「楽になった」と思われがちですが、それは一般的な話です。
キャンパス移転で好立地となる大学や、資格取得に直結する一部の学部には人気が集中し、競争率が10倍を超えるところも存在します。
そうした大学・学部を目指す子どもを持つ親にとって、意外に盲点な出費が「受験費用」です。
●私立大学の一般受験は1つの出願で3万5千円程
現在の受験システムは、1月中旬に実施されるセンター試験を中心に、その後の私立大学や国公立大学の一般入試が続く流れとなっています。
それ以前に、指定校推薦やAO試験などを利用することもできますが、まだまだ一般入試の関門をくぐる受験生は数多く、お守りを握りしめて受験会場に向かう子どもたちに
「がんばれ!」と声をかけたことのある方も多いのではないでしょうか。
指定校推薦やAO試験の場合の受験費用はあまり心配する必要はありませんが、一般入試で複数大学・複数学科の受験をする場合の費用は、親にとってはかなりの負担です。
特に、「行きたい大学」や「やりたいこと」にこだわりを持ち、しかもそれが競争率の高い大学や学部を目指すことになる場合、併願などの複数回受験で対策を練らなければなりません。
現在、多くの大学では創意工夫で受験機会を増やしており、1度の試験で複数学部の受験を可能としているところもあります。
たとえば、「全学部統一試験」等の名称で、●月■日の受験結果を利用し、経済学部や法学部、商学部などの複数の学部の選考をするものです。
この場合、試験そのものは1回ですが、受験料はそれぞれの学部ごとにかかる仕組みです。
複数学部受験の割引制度を採用しているところもありますが、1学部35,000円程度の受験料がかかるため、10万円程のお金はアッという間に飛んでいきます。
さらに今の入試制度は「センター試験の結果」を利用して選考する方法もあり、これは1つの出願について15,000円程度です。
これも利用するとなれば複数学部出願で4〜5万円のお金が羽根をつけて飛んでいくこと
になります。
これが1つの大学だけで済めば、まだ親としても「子どものために…」と懐を気にしながらも笑ってお金を差し出すこともできますが、3校・4校と続くとなれば話は違ってきます。
●滑り止め校の入学金も予定しておくべき
センター試験の後の私立大学の受験は1月末ごろから本格的にスタートします。前述の「全学部統一試験」は1回の試験で複数学部の受験を可能にするものですが、多くの私立大学では日程も複数回にして受験機会を増やしています。
たとえば「1月下旬にⅠ期試験、2月中旬にⅡ期試験、3月上旬にⅢ期試験」という具合で、定員が100人だとすればⅠ期50人・Ⅱ期40人・Ⅲ期10人というように募集人員を分けています。
当然Ⅰ期で合格を果たしていればⅡ期の受験は必要ないのですが、合格しているのが第二志望以下の大学で、本命校にまだ合格していない場合、Ⅱ期以降にその本命校を受けなおすことになります。
このとき、多くの場合に第二志望以下の大学の入学手続きを完了していなければいけません。つまり、お金を支払う必要があるのです。
運よく第一志望に合格を果たした場合、授業料は返金されるとはいえ、いったんは100万円近いお金(多くの場合「入学金+前期授業料等」)を支払わなければいけません。
たとえ志望順位の低いランク校から合格した場合でも、入金しないことは合格の権利を手放すことですから、権利キープのため複数回「入学金+授業料」を支払うことも珍しいことではありません。
このような場合、数百万円のお金を短期間の間に動かす必要に迫られ、授業料の部分が返ってきたとしても「入学しない大学への入学金」のため、数十万円を手放すことになります。
●学校の先生は理解している
大学全入時代とはいえ、当事者である子どもたちにとってまだまだ受験は「大きな試練」です。
その試練を乗り越えるための費用は高額で、学資保険等で事前準備をしている親も多いものです。
しかし、「入学金+授業料」を意識している親は多いですが、「受験にかかる費用」は見過ごされがちです。
「受験料」と「入学しない大学への入学金」だけで100万円を超えるケースも珍しくなく、地方から出てくる受験生の場合は「交通費」や「ホテル代」も相応の金額を覚悟しなければいけません。
都内の某私立高校に通うA君は、担任の先生から調査書をもらう際に「こんなに受験してお金は大丈夫なのか?」と、親の懐事情まで心配されたようです。
学校の先生方は「受験するだけでもお金がかかる」というのを分かっているようですが、皆さまのお客さまはどうでしょうか。