過去メルマガ記事掲載≪NISA制度 株式投資を考えてみる≫
2014.1.14配信 ASSUMEメルマガ
さて、NISA制度を利用して投資をはじめようとお考えのむきには、まずはともあれ、株式に投資してみよう。と思うはずである。
今、株式への投資を考えてみると、超低金利の続く日本で(勿論、実は現状では世界中が低位金利状態と言っても過言ではないが。)投資をして大きな値上がり益を期待できるのは、それだけ価格の上昇幅(リスクの観点からは変動幅)のある株式を置いてほかには ないのだ。
国債・公社債などの債券並びに預貯金は金利水準に原則的にリンクするため、利回りが0%台からせいぜい2%台である。
個別株式銘柄への投資以外で株式に投資が出来るのは、NISA制度の対象金融商品として考えると、株式投資信託と株式市場の全体の動き等を投資信託としたETFだ。
これらは株式市場と同じ動きを追うので、ほぼ株式を買うのと同等の動きが期待できる。 ここまで書くと、儲かる率が高いということはリスクが高いということで、それではリスクが高いことを覚悟すればよい様に思えるが、しかし、株式への投資はそう簡単にはいかない。 まずは、どの銘柄を選べばよいのか自分自身で調査・研究して決定しなければならない。
いわゆる銘柄選択だ。
(1)テレビや新聞で名前のよく出てくる有名な銘柄ならば、絶対・安心して買えるのか、値上がりするのか。
これは、選択手段としては簡単だが、投資としてはうまくゆかないケースが多い。
(2)資本金が大きくて、大企業ならば、安定的に成長して株式も値上がりするのかと言うとこれもそうでもない。
(3)新商品を発表して、飛躍的に販売が伸びそうだ。と言うだけで、投資するのも可能性は低い。
これらの選択基準は、どうも投資判断基準としては少々稚拙だ。 株式投資の戦略を投資理論的に考えると、企業の財務状態や成長性などを考えて以下のような指標を有価証券
報告書やホーム・ページで調査するのが一般的だ。
売上高――当然ながら、売上高が伸びていなければ商売がうまくいっていない可能性が高い。
利益率――これは、経常利益又は営業利益を売上高で割ったもので、売り上げだけ伸びていても、利益があまり出ずに利益率が悪くなる。(その傾向が続く)
総資産利益率(ROA(return on asset))――― 純利益を総資産で割ったもので、総資産(純資産と負債の合計)をいかに効率よく使って利益を上げたかを測る指標。
株主資本利益率(ROE(return on equity))――― 純利益を純資産(総資産マイナス負債)で割ったもので、株主資本をいかに効率よく利用して収益を上げたかを測る指標。
これは、株主として出資した金額に対してどの程度利益を出したかを見るものだ。
これに対してROAは、会社が自分の判断で(株主の意向ではない。)借入等を行い、それらも含めて全体として使用した資産に対する利益を測るものだ。
株価収益率(PER(price earnings ratio))――― 株式の時価総額を純利益で割って、或は、株価を一株当たりの純利益(純利益割る株式数)で割って、現在の株価が安いか、高いかを測る指標。
その他にも、資本比率、自己資本比率、負債比率など多くの比率が存在する。
更に、これらの数値自体の検討で済むかというと、それだけではない。
これらの数値を他の同業他社と比較等を行ってその企業が同業他社の中で良いのか悪いのかをチェックする必要がある。
業界によっては、平均数値や高(低)比率に特徴があるため、その企業だけ数値が高いのか、 低いのか、或は、業界としてそのレベルが妥当な水準なのかなど慎重に確認する必要がある。
さて、これだけ細かく企業の内容を調査しても結果、株価は思ったように上がらなかったり、突発的な事件等で値段を下げたり、或は、その企業独自の問題しかし、そんな時間がない、暇がない、構っていられない。
という方が多いのではないであろうか。
そういう方々には、証券会社の推奨銘柄に投資することや、証券会社の投資情報を採用してその銘柄に投資をする以外に運用のプロに任せる方法があれば、利益の上がる可能性は高まると言えるのではないか。
ということで、NISA制度の中でも株式投資を運用のプロに任せる方法として投資信託やETFがある。次回はそれらの仕組みについて考えてみよう。
ではなく、為替の市場動向或は、政治的事件等で株価は動く。
結論としては、一個人投資家の立場では情報量も限られ、その取得するスピードも遅く、それだけの時間を費やすのも無理なため判断を誤るケースも多い。
決して自分で調査・研究、或は思いにより投資することを否定するわけではない。
自分で調査研究する時間の余裕のある方には最も自分が納得する方法であろう。