過去メルマガ記事掲載≪珈琲とリスク≫
2014.9.26配信 ASSUMEメルマガ
ロペス・ガルシアらは、カフェイン含有・珈琲の摂取量に関わる全死因死亡率と疾患特異的死亡率を発表しました。
この臨床研究は、医療専門家を被験者に含む二大プロスペクティブ研究から抽出したデータに基づいています。
男性の全死因死亡率は、一日当たり珈琲摂取量を、1杯未満から6杯以上に増加させるにつれて低下します。
ただし、喫煙要因を調整した時だけです。別の言い方をすれば、喫煙は、珈琲摂取がもたらす効果をゼロにしてしまいました。
しかし、喫煙者を除くと、珈琲をもっとも頻繁に摂取する群で、死亡率が20%減少しました。
男性の心臓血管疾患特異的死亡率は、同じデータで見ると、日に6杯以上摂取する群で44%減少しました。
女性では、少しばかり改善が少なく、それぞれ17%(全死因死亡率)と19%(心臓血管疾患特異的死亡率)の低下にとどまりました。
ウーらは、珈琲摂取量とγ-GTPあるいは肝臓がんリスクとの関係を観察しました。
以前の数多くの研究からも、珈琲が肝臓病リスクを減少させることが既に知られています。
珈琲摂取の影響は全体としてみると大きく、すなわち肝細胞がんリスクは、一日に4杯以上珈琲を摂取すると、急激に低下しました。
肝細胞がんリスクは、γ-GTP値の四分位値で見ても、それが増加するにつれ上昇しました。
肝臓癌の確率は、γ-GTPの第1四分位群に比べると、第4四分位群で3〜4倍高くなります。 珈琲摂取とγ-GTPを結びつけて考えてみると、少ない珈琲摂取にγ-GTPの第4四分位群を組み合わせると、その影響は非常に大きいものでした。
さらに悪い話であります。もし珈琲を一日に全く飲まないか、1杯しか飲まない場合で、γ-GTPの第4四分位群で見ると、肝臓がんの確率は9倍以上高かった。
これは、一日6杯以上摂取し、γ-GTPが第1から第3四分位群に属する場合と比較しての確率です。 最高のγ-GTP四分位群を決める切点(四分位値であるQ3)は、わずか31U/Lだった。
別の言い方をすれば、対象とする人口(すべてフィンランド人)の相違と複数の検査方法とを考慮しても、第4四分位群の大方は、γ-GTP値が基準値範囲内に収まる人々です。
これは、いわゆる基準値範囲に収まるγ-GTPと超過疾病リスクや死亡率との組み合わせを示す初めての研究ではありません。
従来から、珈琲摂取が糖尿病(2型糖尿病)の発症予防に効果があるとされてきたが、珈琲摂取量を1日1杯増やすとその発症リスクが1割減少することが分かりました。
米国ハーバード公衆衛生大学院栄養学部の研究グループが、166万人の被検者を対象に4年間追跡調査した結果を欧州糖 尿病学会の公式ジャーナルであるダイアビートロジア誌2014年7月号で発表しています。
したがって珈琲は、生活習慣病であるがん、心疾患、糖尿病に対する予防効果が、少しはあるということだろう。
明日も、モーニングコーヒーを飲もう。