過去メルマガ掲載記事≪ヒト成長ホルモン≫

2014.10.14配信 ASSUMEメルマガ

米国では、ヒト成長ホルモン(human growth hormone; HGH)の皮下注射によるアンチエイジング(antiaging)がさかんに行われています。

日本でも一部の美容整形クリニックで導入されていますね。

さて、成人に対するHGH皮下注射は、本当に加齢を遅らせるのでしょうか。

米国メイヨークリニック(Mayo Clinic)が警鐘を鳴らしています。

成長ホルモンは、脳底部にあるえんどう豆サイズの脳下垂体でつくられるホルモンです。幼年期の成長を促進し、組織と器官の発達を助けます。

しかしながら、脳下垂体が作り出す成長ホルモンの量は30歳前後まで急激に減少し、
中年期からはゆっくりと減少して行きます。

加齢とともに起こる自然なホルモン分泌減少により、筋肉や骨量の減少などの変化を避けるために、合成ヒト成長ホルモン(HGH)使用への関心が高まりました。

しかし健康な成人が若さと活力を再び取り戻すのに、ヒト成長ホルモンが役立つ という証拠はほとんどないと、メイヨークリニックの医師は述べています。

もちろん成長ホルモン減少症などの患者さんには、主治医が合成ヒト成長ホルモンを処方するでしょう。

成人の成長ホルモン減少症はまれで、その原因は下垂体腺腫です。この腺腫に対する手術または放射線治療の後遺症として成長ホルモン減少症が起こります。

つまりホルモン補充療法をするわけです。

では、ヒト成長ホルモンは健康な成人に役立つのでしょうか。健康な成人にヒト成長ホルモンを投与した臨床研究は限られています。

ヒト成長ホルモンは、健康な高齢者の筋肉量を増加し、体脂肪量を減少させるように作用
するようですが、筋肉量の増加は筋力強化を意味するものではありません。

健康成人に対して、ヒト成長ホルモンにその他の利点があるかは不明です。

ヒト成長ホルモンには副作用があります。次のような疾病が起こります。

・手根管症候群

・上下肢の腫脹

・関節痛と筋肉痛

・女性化乳房(男性)

また糖尿病や心疾患などに対しても害を及ぼします。特に、若年者よりも高齢者に影響が大きいようです。

アンチエイジングにHGHを使うかどうかは、主治医に相談の上で考えた方がよさそうですね。

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