過去メルマガ記事掲載≪エボラウイルスのアウトブレイク≫
2014.10.24配信 ASSUMEメルマガ
臨床疫学の医療用語アウトブレイク (outbreak)とは、ある限定された領域で感染症にかかった人間の小集団を指す分類語です。
そのようなヒト集団は、村などの区域内に、感染拡大を防止するために隔離されることが多いです。
また、アウトブレイクが、いくつかの国家を含んだ特定の地域内で流行 (epidemic)している伝染病、あるいは世界的な病気の流行を示すパンデミック(pandemic)を示唆することもあります。
アウトブレイクする伝染病の原因ウイルスの1つであるエボラウイルス(Ebola virus)を題材として、米国映画「アウトブレイク」が1995年に製作公開されました。
また、エボラ出血熱が連続殺人に用いられる医療サスペンス小説 「アウトブレイク-感染」(Robin Cook,1987)が、「Virus」のタイトル(日本では「LEVEL4」「ロビン・クックの死の処方箋」)でTVドラマ化されています。
現在、このエボラ出血熱が西アフリカで再び流行しています。
「世界保健機関(WHO)のフクダ事務局長補は8日、ジュネーブで会見し、西アフリカで発生したエボラ出血熱について「これまでのエボラ出血熱の流行で最も深刻なものの一つ」と指摘、強い懸念を示した。
感染が疑われる死者の数は110人を超え、WHOは拡大阻止に向け警戒強化に乗り出した。」(2014年8月8日付HUFFINGTON POST) 「西アフリカでエボラ出血熱が確認されてから7か月がたち、死者が4500人を超えるなか、現地では医療施設が大幅に不足して十分な治療が行えず、患者が次々に死亡するなど、危機的な状況が続いています。」 (2014年10月22日付NHKニュース) エボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever)とは、急性ウイルス感染症で出血熱の1つです。
最初の男性患者の出身地ザイールにあるエボラ川からウイルスと出血熱は命名されました。
原因ウイルスであるエボラウイルスは、大きさが80〜800nmの細長いRNAウイルスで、その形状はひも状やU字型などさまざまです。
未だ、自然宿主は特定されていません。
エボラウイルスは、空気感染はしないことが知られています。
一般に感染者の血液や体液に接触することにより感染し、感染したときの致死率は50〜89%と非常に高いです。
エボラ出血熱は、日本の感染症法では「一類感染症」に指定されています。
したがってエボラ出血熱で死亡した場合には災害死亡保険金の支払事由となります。
感染症なのですが、不慮の事故の1つと考えられているわけですね。